作品番号 | ref. TP008 |
作家 | Jean Lurçat |
作品タイトル | Le petit basset(小さなバセット・ハウンド) |
サイズ | 109cm (H) × 148cm (W) |
製作年 | 1954 |
工房名 | atelier Tabard(オービュッソン) |
リュルサは膨大な数の作品を製作しましたが、彼が歴史に名を残すことになった一番の理由は、「タピスリーという芸術の刷新に貢献した」ことです。早くも1917年にはカンバスで作品を製作し始め、1920年代から30年代にかけては(タピスリーの復興に尽力した)マリ・クットーリと共同作業を行いました。ゴブランの工房と作品製作を始めたのは1937年であり、時を同じくしてアンジェの「黙示録」のタピスリーを目の当たりにしたことで、以降はタピスリー製作に専念します。彼はまずフランソワ・タバールと共に技術的な問題に取り組み、戦時中にオービュッソンに移ってからは、グロポワン、シンプルな色使い、所定の色番号付きの下絵などの自らの製作方法を確立しました。
その後、膨大な数の作品が製作されますが(1,000点以上の下絵)、これほどの拡大をたどった要因としては、友人の画家たちもタピスリー製作に参加させたいという本人の意志や、タピスリー画家・下絵師協会(A.P.C.T.)の設立、ギャラリー「La Demeure」やその創設者ドゥニーズ・マジョレルとのコラボレーション、さらには世界に向けてこの芸術を精力的に普及させるという役割を自身が担ったことが挙げられます。
彼のタピスリー作品は、特徴的な装飾性を備えた、中世の絵画のような芸術です。非常に私的で象徴的な図像では、宇宙進化論の要素(太陽、惑星、星座、四大元素...)、様式化された植物、動物(雄ヤギ、雄鶏、蝶、キマイラ...)などが、遠近感のない背景(意図的に絵画とは異なる表現としている)の中に浮かび上がり、最も野心的な下絵においては、詩的であり(時にはタピスリーに引用文を散りばめている)、同時に哲学的でもある(戦後になると、自由、レジスタンス、博愛、真実等といった大きなテーマが取り上げられる)ビジョンを共有することが意図されていました。その最高峰と言えるのが、生前は未完であった『世界の歌』(ジャン・リュルサ美術館蔵、旧聖ヨハネ病院、アンジェ)です。
犬好きのリュルサは、アフガン・グレイハウンドを飼っていました。時おり下絵にも登場させており、リュルサはその姿から離れることができませんでした。本作品でも「バセット・ハウンド」というのは名前だけで、実際にはアフガン・グレイハウンドの姿です。
作品はフランスにございます。
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