フジタは、ビエーヴルのMoulin de Vauboyen （ヴォーボワイヤンの水車小屋）でタピスリーが製作された数多くの画家のうちの一人で、そのためタピスリーにMVというマークが織り込まれています。この水車小屋は1959年にピエール・ドゥ・タルタによって具象芸術に特化した文化センターに改築されました。その後コクトー、カルズー、エルニ、ヴォルティをはじめとする幾多の芸術家がここを訪れ、数多くの記念碑的作品や、応用美術の作品（特に書籍の挿絵）を製作しました。
 
フジタがタピスリー用に描いた下絵はわずか数枚で、その全てがビエーヴルのピエール・ドゥ・タルタの下で織られています
 
本作品の下絵（147×157cmの水彩画）は、2015年12月8日にオークションハウスのTajanで販売され、もう一枚の下描きは同Corette de Saint Cyrが2013年10月28日に開催したオークションで藤田君代夫人の遺品として出品されました（ロット番号167c）。
 
戦後のフジタは、子供たちを描いた作品が（さらに）多くなります。彼らはみな、広い額、離れた目、細い鼻、ぽってりとした口もとなど同じような見た目で、時には（浮浪児たちを描いた漫画家）プルボに通じるような時代遅れの「しがない仕事」をしています。